日中のちょっとした工夫で夜はぐっすり
日中の過ごし方が夜の睡眠に繋がります
夜中に何度も目が覚めたり、朝早く目覚めてしまったりと、加齢とともに睡眠の質が気になることは少なくありません。ぐっすり眠れないと、日中も体がだるく感じられたり、気分がすぐれなかったりすることもあるかと思います。
質の高い睡眠を得るためには、寝る前の準備や寝室の環境も大切ですが、実は「日中の過ごし方」も深く関係していることをご存知でしょうか。特に、私たちの体にもともと備わっている「体内時計」を整えることが、夜の穏やかな眠りにつながると考えられています。
この体内時計は、約24時間の周期で私たちの体のさまざまな働きをコントロールしています。睡眠や覚醒のリズムも、この体内時計によって調整されています。日中の過ごし方が乱れると、体内時計がズレてしまい、その結果、夜スムーズに眠りにつけなかったり、眠りが浅くなったりすることがあります。
ここでは、日中の生活で無理なく取り入れられる、体内時計を整えるためのちょっとした工夫をご紹介します。日中の過ごし方を少し意識するだけで、夜の眠りが変わってくる可能性があります。
体内時計を整える日中の工夫
私たちの体内時計は、毎日の生活の中でさまざまな刺激を受けることで調整されています。特に重要な役割を果たすのが、「光」と「活動」です。
1. 朝、光を浴びる
朝起きたら、まず太陽の光を浴びることを意識してみてください。カーテンを開けて窓際に行く、短い時間でも外に出てみるなど、数分間でも構いません。朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、「今日も一日が始まった」と体が認識し、活動モードへのスイッチが入ります。これが夜の眠りへ向けた準備の始まりとなります。
曇りや雨の日でも、屋外の光は室内の照明よりずっと明るいため効果的です。難しい場合は、室内の照明を明るくすることでも、ある程度の効果が期待できます。
2. 日中に適度な活動をする
日中に体を動かすことも、体内時計を整え、夜の良い眠りにつながります。散歩や軽い体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣を取り入れてみましょう。体を動かすことで心地よい疲労感が生まれ、夜の眠りに入りやすくなります。
ただし、寝る直前の激しい運動は体を覚醒させてしまう可能性があるため、避けた方が良いでしょう。夕方までの時間帯に行うのがおすすめです。
3. 昼寝は短時間にする
日中の眠気を感じた時に、短い昼寝をすることは気分転換になり、午後の活動の質を高める効果も期待できます。しかし、長く寝すぎたり、夕方以降に寝てしまったりすると、夜の睡眠に影響することがあります。
昼寝をする場合は、20〜30分程度の短い時間にとどめ、できるだけ早い時間(例えば午後3時前)に済ませるのが良いとされています。
4. カフェインの摂取を控える時間帯
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があります。日中の眠気覚ましには役立ちますが、午後遅い時間や夕方以降に摂取すると、夜になっても体が覚醒した状態が続き、寝つきが悪くなる可能性があります。
カフェインの影響は個人差がありますが、一般的には就寝時間の数時間前から摂取を控えることが推奨されています。ご自身の体に合うように調整してみてください。
5. 夕食の時間
夕食を摂る時間も睡眠に関係します。就寝直前に食事をすると、消化活動のために胃腸が働き、体がリラックスしにくくなることがあります。また、血糖値の変動も眠りを妨げる要因となる可能性があります。
できるだけ寝る時間の2〜3時間前までに夕食を済ませるのが理想的とされています。
まとめ:小さな心がけを習慣に
ここでご紹介した日中の工夫は、どれも日常生活の中で比較的簡単に試せるものです。体内時計は急には変わりませんが、毎日の小さな心がけを続けていくことで、少しずつリズムが整ってくる可能性があります。
「あれもこれも」と一度にすべてを変えようとせず、まずは一つか二つ、無理なく続けられそうなことから試してみてはいかがでしょうか。日中の活動や光の浴び方、食事の時間を少し意識するだけで、夜の眠りがより穏やかになるかもしれません。
安全で手軽な日中のケアを通して、より質の高い睡眠と、健やかな日々へと繋がることを願っています。